名古屋市の企業様より、社員の素行調査をお受けしました。
お話を伺いますと「40代の男性社員が、うつ病を理由に休職してから半年以上になります。未だ復職の目処が立たないので、この社員の生活実態を確認した上で、会社としての今後の対応を考えたいのですが…」ということです。
ご指定の一週間、探偵2名による素行調査を実施しました。
調査1日目、お伺いした男性社員の自宅マンション前から張り込みを開始しますと、夕方に30代女性が部屋を訪れ、暫くして二人が部屋を出るとレンタルビデオ店に入り、DVDをレンタルしました。
コンビニエンスストアで総菜・スナック菓子・清涼飲料水などを購入し、男性の部屋に戻りました。
翌日、二人は午後になっても部屋から出ることはありませんでしたが、14時にピザの宅配が来たことを確認しました。
夕方になり、女性一人が玄関から出ました。
女性が近くのコインパーキングに停めた車に乗って発進し、男性が部屋から出ないことを確認して調査を解除しました。
調査3日目と4日目、部屋には終日カーテンが閉め切られ、男性は自室から一歩も外に出ることはありませんでした。
調査5日目、午後にマスクをして自宅を出た男性は、地下鉄に乗ってある駅で下車すると、クリニックに入りました。
看板を確認したところ、診療項目に心療内科があることを確認しましたが、マスクを着用していること、前2日間、自室にこもっていた様子から風邪や花粉症で受診した可能性も考えられます。
約1時間後、クリニックを出ると地下鉄に乗り、駅前スーパーで米と総菜を購入したことを確認しました。
そのまま帰宅し、外出しないことを確認して調査を解除しました。
調査6日目、夕方になって両手にゴミ袋を持った男性が部屋から出てくると、マンション脇にゴミを出し、近くのコンビニエンスストアに入店しました。
清涼飲料水と総菜を購入し、自宅にまっすぐ帰ったことを確認して調査を解除しました。
調査7日目、午後になって調査1日目と同じ女性が部屋を訪れました。
暫くして二人が部屋から出てくると、レンタルビデオ店に入り、DVDを返却ボックスに入れた後、新たなDVDをレンタルしました。
店を出た二人はコンビニエンスストアに寄り、総菜、サンドイッチ、清涼飲料水などを購入して男性の部屋に戻りました。
日付が変わった深夜、女性が一人で部屋から出て、近くのコインパーキングに駐車していた車に乗り、発進したことを確認して調査を解除しました。
調査の結果、男性宅に女性一名が出入りしているもののレンタルビデオ店、コンビニと部屋の往復のみであること、クリニックを受診している事実、昼夜を問わず厚いカーテンを閉め切った生活を送っていることなどが判明しました。
今回のケースでは、もう一歩踏み込んで休職理由を確定する必要があった為、捨てられたゴミの内容物もお調べしたところ、クリニック(通っているクリニック名と一致)の処方箋、服用後と思われる薬3種(名前からお調べしたところ抗うつ剤・抗不安薬・睡眠薬)のアルミ部分が出てきました。
これらを証拠として撮影し、男性は実際にうつ病で療養中であるものと判断がつきましたので、その旨をご報告しました。
うつ病と言いながら副業らしきものに精を出している方、夜になると派手に飲み歩いている方も過去の調査実例としてありましたが、今回は本当に自宅療養されている様子が明らかとなったケースとなります。
通常、うつ病の場合は3か月程度で復職される方が多いということですので、少々時間が掛かってしまっているようです。