名古屋市の40代女性より、身元調査のご相談をお受けしました。
お話を伺いますと「私の戸籍上の親は『肉親ではない』という話を十代の頃に聞いたことがあり、戸籍上の母は私が産まれた直後に亡くなり、父親も亡くなっていて真実を知る術がありません。事実関係を調べて頂きたいのと、出来れば血の繋がった本当の親を探して頂きたいのですが…」ということです。
ご依頼を受け、ご依頼主様と関係ある土地を4地点選定し、周辺に所在する24軒のお宅を重点的に聞き込み調査を実施したところ、当時を知る昔からの住民がほとんどいらっしゃらない状況ではありましたが、ご依頼主様が産まれた頃、隣に住んでいたという80代のご婦人から有力な情報を得ることが出来ました。
ご婦人の話によりますと「当時は隣同士ということもあって深い親交があり、家族ぐるみの付き合いをしていましたが、昭和43年頃に●●さんが引っ越しされてからはお付き合いが途絶えてしまいました。●●さんが引っ越しする際に●さん(戸籍上の母親)は存命でしたが、体が弱く病弱な方で、何年も子供を欲しがってみえたものの子供は授かりませんでした。●さんのお腹が大きかったり、妊娠している様子は見たことがなく、お子さんは養子という話を聞いたことがありますが、詳しいことは分かりません」ということです。
戸籍上の親は血を分けた親ではないことがほぼ確定したところで、では、実のご両親は現在どこに居るのか? ということになりますが、その後の調査で、ご依頼主様の出生した場所に当時助産院が存在していた事実は確認出来たものの、既に資料等が全て処分されており、助産院の関係者が全員亡くなられていた為、そこから先の調査が不可能な状況となりました。
「実の両親に会いたい」というご依頼主様の希望を叶えて差し上げることは出来ませんでしたが、今回のように当時を知る資料や人物が全くゼロの状態になりますと、そこから先は調べる術がなく、結果への道筋が途絶えてしまいます。
段々と昔の資料等が消えつつある現在、ご自身の出自を辿る調査は難しくなる一方かもしれません。